多摩川スピードウェイ

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多摩川スピードウェイの特徴

多摩川スピードウェイは、日本で最初に作られたサーキットです。
神奈川県川崎市に存在した常設サーキットとなっており、車やバイクなどのモータースポーツに詳しくないという方でも、名称だけなら聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。
1周が1.2kmのダートオーバルコースとなっており、パーマネントサーキットとして1936年に開業しました。
ちなみに、パーマネントサーキットというのは、常設サーキットのことを指します。

多摩川の堤防土手の構造をうまく活用されたメインスタンドとなっており、このスタンドの収容人数は数千人程度入るようになっています。
そして、敷地内の最大収容数は3万人となっており、過去には様々なレースが行われ、その地を賑わせていました。
東京横浜電鉄が敷地を提供し、運営は東京横浜電鉄が行っていました。

どんな場所にあったのか

多摩川スピードウェイの跡地は多摩川河川敷の川崎側、中原区上丸子付近、東横線の船橋の脇、東海道新幹線で多摩川を渡るわずか上流のあたりにみられます。
多摩川サイクリングロードが多摩川スピードウェイ跡を貫いており、今はロードバイクを楽しんでいる方が多くなっています。

多摩川スピードウェイのコース自体は、今はもう残っていないのですが、当時のスタンドが堤防沿いに跡を残しているのを見ることができます。
スタンドの跡は渋谷方面に向かう東横線の車窓からも見ることができるので、近くに立ち寄ったら、ぜひ眺めてみてはどうでしょうか。

過去に行われたレース

多摩川スピードウェイで行われたレースの中でも、1936年6月7日にオープニングレースとして行われたのが「多摩川第一回自動車競走大会」でした。
オープニングレースには、あの本田宗一郎さんも弟の弁二郎さんと出場しています。
この時宗一郎さんはレースでクラッシュをしています。

オートバイレースでは1935年に、プレオープンレースを行った記録が残っています。
更に、昭和24年には第1回の全日本モーターサイクル選手権が開催されました。
翌年の昭和25年にも第2回の全日本モーターサイクル選手権が開催されており、大きな大会がここで数多く行われていたということがわかります。

現在の多摩川スピードウェイ

多摩川スピードウェイの跡地の中央には、プロ野球日本ハムファイターズの多摩川グランドが造成されました。
メインスタンドは現在も、護岸のような形で階段や座席といった跡や残っており、当時を知っている方が見ると、その面影を感じるという方もいるかもしれませんね。

トラックは、最後まで舗装されずダートだったために、現在もコーナーなどが野球グランドの敷地の隙間などで見ることができるようになっています。