希少6気筒ネイキッド ホンダ CBX1000

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By : GRjap7uK | In : 日本の名車紹介

唯一無二の空冷6気筒エンジン

CBX1000が登場したのは1978年。当時としては破格ともいえる並列6気筒エンジンを、量産ネイキッドバイクに搭載したモデルです。排気量1,047ccの空冷DOHCエンジンは、最高出力105PSを発揮し、市販車として初めて100馬力の壁を越えた存在となりました。

このエンジンは、ホンダが世界GPで活躍していたRC166の技術を踏襲。6気筒ならではの高回転域のスムーズさと伸び、そして回転上昇に伴って響くエキゾーストサウンドは、他の追随を許しません。とくに7,000rpmを超えたあたりからの“吹け上がり”は、ライダーに強烈な印象を残しました。

当時の技術では難しかった熱処理やエンジンの幅に関する課題も、ホンダは見事に克服しました。空冷6気筒をこのサイズでまとめ上げた実績は、今でも語り草となっています。

存在感で魅せるネイキッドの迫力

CBX1000の第一印象は、とにかく「大きい」こと。エンジンの左右から伸びる6本のマフラーが視覚的なインパクトを与え、停まっているだけで注目を集めます。その存在感は、同時期のどのバイクとも一線を画していました。

デザインはあくまでネイキッドらしい構成で、無駄な装飾は抑えめです。それでも見る者を惹きつけるのは、メカニズムがそのまま“顔”になっているからでしょう。6気筒のシリンダーブロック、太く存在感のあるクランクケース、それらが醸し出す迫力は他の車種では得られません。

また、CBX1000はわずか数年しか生産されておらず、現在では希少車として市場価値が高騰しています。フルオリジナルの個体は非常に少なく、程度の良い車両には高額なプレミアが付くことも珍しくありません。

ホンダの名車の中でも、「見た目だけで心を動かされる数少ないモデル」といわれることがあります。それほどまでに、CBX1000は視覚的な印象の強いバイクだったのです。

官能的なサウンドとその魅力

CBX1000の6気筒エンジンが奏でるサウンドは、まさに“官能的”という表現がふさわしいものでした。アイドリング時はジェントルに響き、高回転では滑らかな高周波が空気を震わせます。その音を聴きたいがために、走りに出るというライダーも少なくありませんでした。

ライディングフィールも印象的です。排気量の大きさからくるトルクの厚みと、6気筒による回転の滑らかさが絶妙に同居し、街乗りからツーリングまでこなせるバランスがあります。もちろん、取り回しや車体重量は決して軽くありませんが、それを補って余りある感動があるバイクでした。

こうした個性の強さから、CBX1000は今もファンが多く、イベントやミーティングで姿を見かけることもあります。メンテナンスや維持には手間がかかりますが、それすらも楽しみに変えてくれる魅力を持った一台です。

あらゆる面で“今では作れないバイク”と言われるCBX1000は、バイク史に残る特別な存在であり続けています。