カワサキと言えば、オンロードバイクばかりが多く取り上げられていますが、実際にはオフロードバイクの歴史も古く、60年代から様々なオフロードバイクが生産されています。
原付バイクを決して生産しないメーカーとしても有名なカワサキは、硬派なバイクメーカーとしても知られており、その企業姿勢に根強いファンがいるのも事実です。
ここでは、カワサキのオフロードバイクの歴史についてを記述していきたいと思います。
赤タンクのカワサキ
1963年に、鮮烈なデビューを果たしたのがカワサキB8Mです。
多くのモトクロスライダーが、その圧倒的なパフォーマンスに驚いたと言われるほど、秘めたるスペックは高く、赤タンクのカワサキという異名をとるほどになりました。
当時は多くのメーカーが速いバイクを造るという概念でバイク造りを行っていましたが、当時は速いバイクイコールエンジンのパワーアップ、という流れが主流となっていました。
しかし、カワサキは当初からエンジンパワーだけではなく、操縦性の面にも着目しており、その過程を経た結果、高いハンドリング性能を持つバイクが誕生したという経緯があります。
1967年に販売されたカワサキG1Mはロータリーディスクバルブエンジンを搭載し、その秘めたるポテンシャルは相当なものだったようです。
有名なレーサーもこのバイクに乗って活躍していた時期があり、そのポテンシャルの高さを物語っています。
同じ年に販売された250ccクラスのカワサキF21Mは、その圧倒的なパワーと操作性の高さで競技では他の追随を許さない強さを見せつけました。
専用フレームが設計されており、このバイクこそ国産初の純市販ダートバイクだとも言われています。
70年代以降のカワサキバイク
1970年代になると、カワサキ250TRなど様々なオフロードバイクが開発され、世に送り出されます。
72年に販売され人気を博したバイソンのモデルチェンジバージョンでもあるこのバイクは、これまで一貫して使われ続けたロータリーバルブエンジンとも決別し、現在の主流であるピストンバルブが採用されます。
最高出力こそそこまでのアップはさせられてはいませんが、低速トルクの味付けを変えたことにより加速性能が大幅にアップしたため、制動直後の加速などにおいて大きな力を発揮しました。
直進安定性に優れ、エンジン特性も非常に滑らかだったため、扱い易く速いという正に競技車輛としては最高のポテンシャルを秘めていたのです。
当時は他に類を見ないほどの粘り強い低速トルクを持ち合わせており、それが加速性能に繋がっています。
特にモトクロスのような競技では最高出力より加速性能がものを言いますから、そうしたことからもいかにこのバイクの戦闘力が高かったかを物語っていると言えるでしょう。
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