世界的な電気化の流れはまず商用から
 地球規模の温暖化問題は、世界各地で異変を起こし、早急な対策措置が必要な状況になっています。
 車やバイク業界は、ガソリン車などを始めとする石油燃料を必要とするため、毎年のように排ガス規制が厳しくなっています。
 そのようなおり、政府の方針で、2035年半ばまでには、車を完全電動化する計画を発表しました。
 この時、バイクには触れていませんでしたが、同じ石油燃料を必要とするバイクも、同じ流れになることは間違いありません。
 今回は、市販車ではありませんが、ビジネス用に開発された三輪電動バイク「ホンダ・ジャイロE」のご紹介です。 
ホンダ・ジャイロEのスペック
『主要スペック』
 エンジン形式:モーター 交流同期電動機
 バッテリー容量:0.58kw・リチウムイオン電池
 バッテリー:Honda Mobile Power Pack×2
 充電時間:約4時間
 最大航続距離:72km(30km/h定地走行)
 最高出力:4.4PS/5800rpm
 最大トルク:1.3kgf-m/2300rpm
 全長×全幅×全高:1945×710×1030mm
 シート高:710mm
 車両重量:141kg
 タイヤサイズ(前):90/90-12 バイアス
 タイヤサイズ(後):130/70-8 バイアス
 参考価格:税込み55万円
ジャイロEのすぐれた特徴
 バイク業界で、世界的にも大手であるホンダが、2021年3月に法人向けに発表したのが、この商用向け電動3輪スクーター「ジャイロE」でした。
 なぜ市販車ではなく、商用向けなのかというと、車もバイクも一番商用車が多いからです。
 ホンダが、先に発表した「ベンリィe:」と同じパワーユニットを搭載し、積載時や坂道発進でのパワー不足を解消しています。
 電動3輪スクーターということもあり、取りまわしには難があると思われがちですが、後進アシスト機能が付いていますので問題ありません。
 また低床設計で、2台と分離した形で復元力が強く、曲がり路などでも安定した走行が可能です。
ジャイロEの充電対策とメリット
 ジャイロEの最大のメリットは、「ベンリィe:」にも搭載されている、パワーユニットを採用しているところにあります。
 電動バイクの一番の難点は、ガソリン車と比べ航続距離が短く、充電する時間も長くかかるという点です。
 ホンダは、このような問題を、「ジャイロE」にパワーユニットを2台搭載することで解決しました。
 充電は、車体からパワーパックを取り外し、専用充電器に接続して外部電源から充電することが可能です。
 商用ということもあり、充電済みのパワーパックさえあれば、すぐにでも走行可能なんです。
 フルチャージは4時間と、かなり短いのもジャイロEの特徴です。
 

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