量産EVスポーツの先駆け「カワサキ Ninja e-1」

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By : GRjap7uK | In : 電動バイク

シーンに応じた走行モード

カワサキ「Ninja e-1」は、電動ならではの制御技術を活かし、走行モードの選択肢が豊富です。標準の「ROAD」モードでは、力強く伸びのある加速が得られ、都市部の一般道から幹線道路まで幅広く対応します。一方の「ECO」モードでは、出力を抑えつつエネルギー消費を軽減し、航続距離の確保を優先したい場面に適しています。

さらに、e-boost機能も搭載されており、最大15秒間だけ出力を一時的に向上させることが可能です。坂道や追い越しといった瞬間的なパワーが求められる場面で役立ちます。加えて、駐輪場などでの取り回しをサポートするウォークモードも用意されており、スロットル操作で低速の前進・後進が行えます。

ライダーの操作意図や路面状況に応じて自在に選べるモード構成は、ガソリン車とは異なるEVの強みのひとつです。

出力特性と操作感の工夫

Ninja e-1に搭載されるモーターは、定格出力0.98kW、最高出力9.0kW(12PS)というスペックです。最大トルクは40N・mとされており、電動ならではの即時トルク発生が発進時の鋭い加速につながっています。エンジンの回転上昇を待つ必要がないため、ストップ&ゴーの多い市街地でもキビキビとした走行が可能です。

車体は、リチウムイオンバッテリー2基を含めても140kgと軽量で、取り回しの良さに直結しています。特に小柄なライダーにとって、低速時や押し歩き時の扱いやすさは大きなメリットです。加えて、回生ブレーキによって減速時のエネルギーを効率よく回収し、航続距離の延長にも貢献しています。

出力特性のセッティングは、扱いやすさとスポーツ性能のバランスを意識した構成となっており、EVながらバイク本来の楽しさを損なわない仕上がりです。

環境性能と都市走行への適性

Ninja e-1は、電動スポーツバイクでありながら、環境性能と日常の利便性を両立する構成が採られています。リチウムイオンバッテリーは1基あたり11.5kgで、着脱可能な設計。家庭用コンセントを使った充電が可能で、都市部での短距離移動にも対応した実用性を持ち合わせています。

満充電時の航続距離は約55km(定地走行60km/hでの社内測定値)。用途が通勤や買い物といった日常利用に限られる場合、実用上問題のない水準といえます。また、走行時にはCO₂や排気ガスを一切出さないため、都市環境への負荷も小さい仕様です。

インフォメーション面では、4.3インチのTFT液晶ディスプレイが搭載され、スマートフォン連携によって車両状態の確認やライディングログの取得にも対応。実用と先進性を備えた、次世代型のモビリティとしての位置づけが明確になっています。