量産目前!スズキEVスクーターe-Burgmanの実力

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Posted on : 01-07-2025 | By : GRjap7uK | In : 電動バイク

実証実験で見えた性能と手応え

スズキが開発中の電動スクーター「e-Burgman」は、2023年に東京都内で実証実験を行い、そのポテンシャルが公道で試されました。実験は目黒区・品川区・港区・大田区を中心とする地域で実施され、主に通勤や日常の移動における有用性を検証する内容です。

航続距離は、定地走行で約44km(60km/h走行時の社内テスト値)とされています。都市部の短距離移動を想定すれば、必要十分な数値です。最高出力は4.0kW、最大トルクは18Nmで、出足の加速は軽快かつ滑らか。原付二種クラスに相当する性能ながら、静かで安定した走行フィーリングを実現しています。

試験により収集されたデータやユーザーの反応は、市販化に向けた調整に活かされる予定です。スズキは今回の実験を通して、EVスクーターの実用性を確認し、次のステップへと進もうとしています。

交換式バッテリーで広がる利便性

e-Burgmanが採用するのは、ENEOSや国内二輪4社が協力して展開する交換式バッテリー「Gachaco(ガチャコ)」です。このバッテリーは専用ステーションでの即時交換が可能で、充電の待ち時間が不要となる点が大きな利点です。

実証実験では、城南エリアに複数の交換ステーションを設置。実際に走行中のバッテリー交換を行いながらデータを収集しました。バッテリー1本あたりの重量は軽く、交換作業も数分で完了する構造になっています。利用者にとっては「電池切れを気にせず使える」安心感があり、ガソリン補給に近い感覚で使える設計が魅力です。

また、共通仕様である点も重要です。車種やメーカーを問わず同じステーションでのバッテリー利用が可能になることを目指しており、EVの普及を下支えする仕組みとして注目されています。

市販化に向けた現実的なアプローチ

スズキは2030年度までに電動二輪を8機種投入する計画を掲げており、e-Burgmanはその先陣を切る存在です。今回の実験を通じて、車両本体の走行性能はもちろん、バッテリー供給体制や都市内インフラの整備に関する課題も浮き彫りになりました。こうしたリアルな検証結果を踏まえて、市販モデルの仕様がさらに洗練されていくと考えられます。

ベース車両は「バーグマンストリート125EX」。ガソリンモデルと共通するフォルムを持ちながらも、電動化によって静粛性と環境性能を大きく引き上げました。バッテリーを車体中央に搭載し、低重心化による走行安定性も意識されています。

量産化に向けた取り組みは、すでに現実的な段階に入っており、今後の発表が待たれるところです。e-Burgmanは、スズキの次世代モビリティへの本格的な一歩といえるでしょう。