ここで、日本のモーターサイクル史を語る上で欠かせない『レース』に関して紹介します。
30年続く鈴鹿8時間耐久レース
鈴鹿サーキットにおける日本最大級のレースが『鈴鹿8時間耐久レース』です。
名前の通り、8時間走り続ける耐久レースになっています。
その始まりは1978年からで、もはや30年以上の歴史ある大会になっています。
開始3年目にして世界耐久選手権レースのうち1つとされ、
1980年代からはじまった日本のバイクブームと連動して、
日本国内のバイク需要業界の需要が急激に増大していきました。
そのころに比べるとブームも過ぎ、排気ガスの規制などで一時的にオートバイのニーズが
減少するなどありましたが、それにしても未だライダーにとっては夏の風物詩ともいえるイベントとして、
国内のレースイベントとしては最大級のものとなっています。
1984年からは日本コカ・コーラがトップのスポンサーになり、
イベントの規模もますます大きくなっており来場者数を増やす一因となっています。
かつての鈴鹿8時間耐久レースは若手のライダーにとっては登竜門とも呼べる存在でした。
このレースで活躍した多くのライダーが世界のトップクラスのライダーとなったため、
国内4メーカーはその誇りをかけて様々な選手を、持ちうる最高の技術を投入したマシンを用意して
レースに臨んでいました。日本におけるバイクブームの時の鈴鹿8時間耐久レースは、
まるでレースの勝敗を決めるよりもライダーの優劣を争うような大会になっていたとも言えます。
イベントとしてのレース
最近ではmotoGPと日程が重なったり、
レース自体が8時間もかけて行う過酷なものであったりするため、
多くの海外のライダーが参加を避けるなどして減少していますが、
運営側の努力や日本人のトップライダーたちの活躍によって、
これまでの戦いと比べても遜色ないレベルのレースが展開されています。
また、決勝の前日には『鈴鹿4時間耐久ロードレース』というイベントも開催されるなど
イベントとしての規模も非常に大きいです。
オートバイをメインにしたパレードもしないで催されるなど、街をあげてのイベントですが、
昔は暴走族が何千人も集まるなどのトラブルもありましたが、多くの人に愛されています。
前夜祭においても数々のイベントが行われ、
ライダーのみならず家族連れも多く参加して楽しんでいます。
当初は様々なアーティストを呼んだりステージを作ったりして盛大なイベントという時代もありました。
しかし、最近では『来場者とレースをもっと近くに』というテーマを掲げ、
あえて大型のステージを作らずレースそのものと観客が近く慣れる
『ナイトピットウォーク』にますます力を入れるようになったのです。
2010年からSKE48がコースにおいてライブを開催するなど、
ますます一般に向けた嗜好をこらした展開がなされています。
非公式のキャラクターではあるものの『8耐マン』なる頭部が数字の『8』をモチーフにした
キャラクターも現れるようになり、来場者の鈴鹿8時間耐久レースへの想いが伝わってきます。
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